俺の株式投資

no investment, no return

バリュー投資について

バリュー投資というのは,市場において割安に放置されている株を買うという,ある意味非常に簡単な概念に基づく.

問題は,何を以って割安と判断するか,である.少なくとも,市場がつけた価格が間違っていると考えるわけだから,市場よりも自分が賢いと信じていなければ実施する意味は無い.

単純な例として,負債が何もなく,保有している現預金額が時価総額を上回っている企業があるとしよう.この場合,グレアム流の評価では間違いなく割安である.現金をより安く手に入れられるのであるから当然だ.こんなことが起こるのならやはり市場は馬鹿なのだと信じて良いのかもしれない.

しかし,その企業が来年にでも現預金を無駄な事業に投じ,早晩使い果たしてしまわないと一体誰が言えるのだろう? そうなる前に,自分が馬鹿だと信じた市場によって株価が見直されるという保証など何もない.そうなるまで,「割安に放置」され続けるかもしれない.

もちろん,簡単な財務分析だけでなく,事業の安定性やら成長性,経営者の資質,などなどの分析も必要なのだ,という反論があるだろう.要するに,自分はそういう分析も市場より上手くできるのだ,と信じるしかないのだ.